講釈は誰に向けて?

飲みに行ったりすると、聞くとはなしに聞こえてくる他のテーブル席の話。
聞き耳を立てているわけじゃないけれど、熱い語りに耳を傾けてしまうときがある。

「ね、仕事っていうのはさ、目標が大事!」

 おぉ、なるほど。

「その目標に向かっていく過程に、学ぶべきことがいっぱいあるわけ!」

 ん、ん、その通り!

自己啓発ばりの講釈は、同じ席で聞かされてるより外野席の観客になって聞くほうがずっと楽しい。

先日は隣のテーブルで、20代前半と思しき女性2人を前に「結婚とは」を熱く語っている中年男性がいた。
「あなた方さ、結婚って、どういうものか分かる?」
捕まって連れて来られちゃったふうの女子二人は部下なのか、ものすごくおとなしい。
「分かる?」と聞かれて、声もなくクビを横に振るだけ。
「あかの他人が二人で暮らしていく、ね。
 生活してれば、お互い不満もあるけれど、協力し合って、理解し合って、連れ添っていく」
 
 そうね、そうね。

反応するのも疲れた様子の二人に代わって、講釈に耳を傾けてしまう外野席。
聞かされてない立場だと、講釈師の押し付けがない分、気楽に聞けてしまうようだ。

世の中に溢れる講釈は、大概が聞かせる相手にとっての講釈じゃあない。
人は話したいことを話す。
話したいことを誰に向けて話しているか?
誰かを相手に話してはいるけれど、じつは自分に向けて説いて聞かせているのだよね。

昨日会ったライターさん。
お昼に学生時代の先輩に中華をごちそうになったそうだ。
「好きなもの、頼め!」
先輩に言われて、「海老、海老」と思ったのに、
「よし、今日は上海蟹にしよう!」
と先輩。
その蟹も、
「どんどん食えよ!って言いながら、ガンガン食べてたのは先輩だったよ」
と力なく話すライター氏。

 好きなもの、頼め!
 どんどん食えよ!

「先輩は自分に言っちゃったんだね」
そう言うと、ライター氏はこっくり頷いた。

講釈に限らず、人は人を相手に自分に言っていることが多いものだなあ。

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・1年前の今日の日記 「オレの庭、オレの場所にて」
・2年前の今日の日記 「小が大を兼ねる」
・4年前の今日の日記 「声」
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