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アセンション プリーズ

スピリチュアルな時代だし、アセンションが始まっていると言われているし、炎天下を毎日、散歩しているせいもあってか、「オーラが見えるようになる」というセミナーが目に留まり、誘導、じゃなくて導かれるままについポチッと申し込んでしまった。
それが、「すぐに定員になってしまう」という触れ込みに期待して「定員オーバー」に賭けていたのに、あっさり申し込みが受理されてしまい、最近、スピリチュアルの趣味から遠ざかり気味だったので、たまにはいいかと参加してみることにした。

オーラなるものを初めて観てもらったのは、かれこれ15年ほど前。
最近は“オーラ”って言葉が一般化してきているけれど、あの頃は話していいものなのか躊躇するものがあった。もともと数少ない友人のうちでも受け入れてくれそうな人にちらっと話すのがせいぜい。そのうちの一人からは、「そういうのに嵌るのよくないよ」なんて半分怒り気味に言われたりしたこともある。自分でも、だんだん誰かに話したい欲求がなくなり、気分は隠れキリシタン。裏趣味みたいなものになっていった。

もともと子どもの頃から霊能系のテレビ番組が好きで、とくに夏休みのお昼のワイドショーの「あなたの知らない世界」は、たまらなくわくわくするものがあった。
在る(らしい)けど見えない、見えないけど在る(らしい)。
このことが、すごく興味をそそるのだ。

で、話はオーラ。
「見えると何なんだ?」と言われても、うまく説明できない。単に見えるなら見てみたい。
眺めていると3Dに見えてくる絵。あれは焦点の合わせ方のコツで立体的に見えるのを大抵の人は知っているから何気に試すでしょ。それと同じ感覚なのだ。
ところが、その3Dの絵を見るのが、わたしは苦手ときている。なかなか焦点の合わせ方をシフトできない。なので、オーラも見えるようにならない自信は80%。これほど自分に期待できないことを試してみようとするのは、わたしにしては珍しいことなのであった。

都内某所の講座に集まったのは十数名。
先生がおっしゃるには、「講座に参加した皆がソウルメイト」なのだそうだ。
思えば、“ソウルメイト”という言葉もずいぶん浸透したものだ。

たぶん二度と会することはないと思うソウルメイトさんたちと肩を並べ、「オーラとは何ぞや」のレクチャーを受け、スライドの写真を見て直感的に色を言うワークなどして約2時間。その後、隣の人とペアになって互いのオーラを見るワークに入った。

ペアを組んだ女性をパッと見る。
近所のネパールカレー屋さんで働いている人たちくらい色が浅黒いのが印象的だ。で、思わず「茶色!」と言ってしまいそうだった。そこを堪えて、「パープル」なんて言ってみる。
「へ?」
「あは、ごめんなさい。それ、Tシャツの色ですね。やり直します。」
気持ちを入れ替え、あらためて見直す。けど、やっぱり肌の浅黒さに目がいってるのか「茶色!」と言いたい衝動に駆られる。
自分のオーラが茶色なんて間違っても言われたくないだろう。そう思って、「オレンジ!」なーんて言ってみる。
すると、また彼女が「へ?」と反応する。
見えてるのか見えてないのか自分でもよく分からないうえに、「へっ?」って疑われても埒が明かない。なので、とりあえず「オレンジ」ということにして終わらせてもらった。
で、彼女の番。
わたしをじっと見て、「ごめんなさい、分からない。」だって。
まあ、分からない者同士、お相子と諦めかけたら、首をかしげながら「グリーン」と言う彼女。その日に着ていたブラウスのレモンイエローにグリーンが入ってなくもないので、その色が映ったのだと思う。

そんなことがあってから、散歩に出るとベンチに座って、木や植物、たまに仰向けに転がっている蝉を焦点をずらして眺めてみたりするようになった。
で、最近、異変が。

鳩と雀が、やたら至近距離にやってくる。
サンダル履きの足元のすぐそばまで近づいてくる。
他に人がやって来ると途端に散っていくのだけれど、中には、えっちらおっちら短い足で歩いてきて、目の前で立ち止まったまま動かない鳩もいる。
なので、「鳩さん」と呼びかけてみる。
「どうかしましたか?」とも訊いてみる。
今のところ何も返事はない。
が、何か、オーラとは違う路線の能力を開発している予感、がしなくもないこの頃。

20100903a

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