適職・天職

この人は仕事の選択を間違えてるなあ、
と思うことがある。

とくに接客業は、仕事ぶりが客の目に触れる職種。だから客としては、まさに客・観・的な視線で、接客がその人に合ってやっているのも判れば、何で接客なの?という人もいる。いわゆる、適職じゃないというやつ。
大方は合ってる合ってないの中間くらいで、慣れや努力で仕事の楽しさを見つけられれば、それも適職。選択を間違っているというのは、誰のための接客なのかすら気がついていないように見える人のこと。

よく行くイタリアンの店。奇をてらわず普通に美味しいところがいい。
お値段もお高くなく、お店のスタッフの方たちは若いけれど感じのよい対応をしてくれるので、たまにお客さんを連れて行くこともある。
それが去年の後半あたりから、ホール担当の顔ぶれが徐々に変わり、なかなか珍しく面白い人材を見るようになった。

彼の仕事にとくに落ち度があるわけじゃあない。おそらくお店のマニュアルか指導に従って外してはいない、とは思う。
ただ、とにかく面白くなさそう。
面白くなさそうにやっているとは本人は気づいていまい。にこりともしない堅い表情には、「僕はちゃんとやってます」と書いてある。
そこが、人間観察好きには面白くも映る。

一度、おススメメニューに「和風カルボナーラ」とあったので、いったいどういうカルボナーラなのかを尋ねたら、
「それは、和風のカルボナーラです」
とあっさり教えてくれた。
一緒に行ったお客さんが、この店はフランチャイズなのか訊くと、フランチャイズがよく分かっていない様子。
実際、その店はフランチャイズで、ホームページの企業情報には、彼の顔に書いてあるより確かにちゃんと書いてある。
自分が働いている店の事業形態くらいは知っていてもいいんじゃないかなあ。
まあ、客に興味を示さないくらい店にも興味がないのかもしれない。なんてことを彼に言っても、「そんなことありません、興味ありますよ」と返してきそう。
彼の場合、どう興味を持てばいいのか、興味を持つってどういうことか、が感覚のレベルから違っている感じ。本人は「好き」だと思っているものを、「その好きは本心の好きではないのだよ」と説明するのは難かしいのだ。

接客が性に合っていない人にとって、客と接しても仕事の楽しさは感じられないだろう。
声をかけられれば、自分のペースでしている作業を中断せざるを得ない。不意打ちで余計なことを訊かれたり、マニュアルにないことを頼む客もいる。まったくもって面倒くさい存在なのだ。

だが、客あしらいの上手な接客は、面倒くさい存在にもなる客を面倒がらない親しみや、お世話をしてくれる人特有の包容力を見せてくれる。
お店は接客のステージ。
店の空気も食事の雰囲気も接客に左右されるステージで、どれほど魅力的に働けるか。それが自分主体でなく喜んでできるのが、接客業を適職とする人なのではないかと思う。
そんな魅力ある働きぶりの人に会うと、早々に接客業に見切りを付けたわたしは、憧れ目線で楽しくなる。

わたしが楽しいかどうかなど、彼にはどうでもよいことだろう。彼にとって今の仕事が適職かどうかなんてことも大きなお世話なのだ。
でも、彼を見ていると思う。
自分に合った仕事なのかどうかは、早いうちに自分で察したほうがいいなと。
やるなら、仕事を好きになる努力はしたほうがいい。せっかくの働いている時間に、自分がつまらないのではもったいない。勘違いであっても、不器用であっても、適職だと思って嬉々と働くのも、適職への道ではないだろうか。そして、
◆ 天職は適職の先にある。
こう言うわたしは、会社員時代は会社員が天職だと思っていたクチ。色んな目に遭ったけれど、心のどこかで楽しくはあった。

今夜は三人でイタリアン。
半額になっていた伊勢エビのスペシャル・プレートに、ピザと生スパゲティもいただきました。
20090218a

我らのテーブルを担当してくれたのは、一生懸命さがかわいい女性のスタッフさん。ほっとした。

ioWEB
関連記事

トラックバック


プロフィール

 葉月いお

Author: 葉月いお
オフィシャル基地<io日和
―魚の庭― Photo綴り
極楽とんぼの「映画会」
メッセージ・お問い合わせ等は
↓メールフォームから
お願いします。

全記事◆タイトルリスト

最新記事

メールフォーム

メッセージ・お問い合わせ等は、こちらからどうぞ!

名前:
メール:
件名:
本文:

こちらのアドレスが受信拒否設定になっていると返信できません。
【メッセージをくださる方へ】
をお読みください。

カレンダー

05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

月別アーカイブ

検索フォーム