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    蜘蛛と話す

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    ここ数日、朝になると、ベランダの手摺に張られた蜘蛛の糸を払い除ける。
    軒先から伸びる弾力のある糸。
    手摺に沿って腕を大きく振り、プチンと糸が弾けて切れる感触を味わうたびに切ない気持ちになっていた。
    無駄に張られた糸じゃない。
    蜘蛛だって食べていかねばなるまいし、嫌がらせのために巣を作っているのでもない。
    かといって手摺を貸せば、南向きのベランダの一部が巣で塞がれることになる。
    だいいち、手摺に布団が干せなくなるではないか。

    蜘蛛は、昼間はベランダの天井に張り付いてじっとしている。
    これが夜になると軒先に移動し、ぷらんと糸でぶら下がりながら手摺に向かって降りてくるのだ。
    夜中には、せっせと空中を動き回り、巣の基礎工事に励んでいる。
    それを朝になって、軒先と手摺を結ぶ一本の糸を払い除けられると、編みかかりの巣は風になびいて、しゅわしゅわに縮んでいく
    で、また夜になると、諦めもせず蜘蛛はせっせと糸を張る。
    毎朝、基礎工事をぶっ壊しているこっちが切なくなる。

    昨夜、どうしたものかとベランダで考えていたところに、例の蜘蛛が、またもや軒先からぷらんと糸にぶら下がって降りてきた。
    そこで、近づいて言ってみたのだ。
    「ここはダメなんだよ」
    だって、わたしのベランダなのだから。

    今朝、ベランダの手摺には糸が張られていなかった。
    蜘蛛もいなくなっていた。

    話、通じたの?




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    4年前の今日の日記 <オトナになったら
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