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    後ろ姿

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    後ろ姿を見るのが好き。
    仕事をしている人の後ろ姿、遊びに来て帰っていく人の後ろ姿。
    見ていることに気づかれないように、無防備な姿を壊さないように、何気に見る後ろ姿に胸がきゅんとくることがある。

    人は後ろ姿に無防備なのだろう。
    どんなふうに背中を見せるか、考えて見せられるとは思えない。

    無防備ゆえに、怒っている人の後ろ姿も、減らず口ばかり叩いている人の後ろ姿にも、憎めない可愛さが漂っていたり。
    自慢話をさんざん繰り広げて帰っていく人の後ろ姿が、やけにおとなしかったり、セミナーでもやっているかのごとく前向き発言を連発して帰っていく人の後ろ姿が、ひ弱に見えたり。
    見せている前面の姿よりも、むしろ健気だった装いのない後ろ姿に、素直なエールを送りたくなる。

    会社員時代、口をきくのも嫌だった上司も、後ろ姿はただのおっさんで、「こいつ、自分が大事なだけなんだ」と思うと叩く気が萎えたものだ。

    サギの後ろ姿も、一見、無防備に見える。
    さすがに野生の感覚があって、カメラの視線も察するらしい。
    何度かシャッターを押すと、空へ飛び立ってしまった。

    ああ、そういえば、後ろ姿で思い出した。
    駅のホームで、お尻をモミモミされたとき、去っていく男の後ろ姿を追いかけて、脳天を一発、持っていた本で殴ったことがあったっけ。殴っておいて何だけど、あの後ろ姿も無防備で可笑しかった。

    ★ <魚の庭> 花の後ろ姿
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    オフィシャルサイト<io日和> Photo綴り<魚の庭
    3年前の今日の日記 <薔薇じゃない

    わたしの「ロード・オブ・ザ・リング」

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    長きに渡る問題が、今年の正月明けに急展開で解消してしまった。
    解決というより、解消。
    なぜかというと、自分の働きかけで「解決した」という実感ではないから。
    かけられていた魔法がとけたような、魔法がとける時期がはじめからあって単にそのときを迎えたような、とにかく未だに何がどうなって問題の解消に至ったのか、明確に分からないのだ。

    生まれる前から、その問題を抱えていくようになっていたかの19年半。
    この19年半の過程で、「それは(わたしの)ロード・オブ・ザ・リングだ!」と言ってくれた人がいる。
    「そうか!なるほどね~」
    それを聞いたときには、いたく感心した。
    自分の『ロード・オブ・ザ・リング』にいる。そう思うと、「諦めちゃいけないな。人生をかけて、フロドみたいに傷だらけになっても、自分のリングを何とかしよう!」と立ち向かう気になった。
    でも、勇敢な気になってはみても、いったいどこへどうやって向かって行けばいいのか道筋もやり方も、わたしにはさっぱり見えてはこなかった。皆目見当が付かないとは、このことだ。

    答えは自分の中にある?
    自分の中に見つけられる答えがあるのは知っている。
    だけど、だけどだけど、自分のロード・オブ・ザ・リングを終わらせる答えなんて見つけることはできなかった。
    「答えは自分の中にある」なんて、簡単に言ってくれるなよな。
    自分のリングに関しては、マジでそう思ってきた。
    ただ一つ、わたしに何となく分かったのは、「答えがないこともある」ということ。
    探しても求めても見つからない答え、解決の糸口。そういう問題もあるのかもしれず、悩んだり、考えたり、願ったり祈ったりして、その過程を生きていくのが、実際の『ロード・オブ・ザ・リング』なのではなかろうか。
    ある時期からのわたしは、問題は一生解決しないまま終わるのかもしれないと思うようになった。仕方のないことはあるのだと。

    今、自分の「ロード・オブ・ザ・リング」を抜けて二か月半。
    何かが大きく変わったかって?
    そりゃ、奇跡みたいに問題が解消したのは嬉しいし、喜んでもいるし、感謝もしている。
    でも、道の過程で体験してきた生きている楽しさ、喜び、幸福感が、問題が消え去る前とあとで変わったわけではない。
    不思議と何もかもが同じ。自分自身さえ、問題があってもなくても同じ。
    そういうものなのかと、それこそ初めての体験をしている気がする。
    まあ、19年半前に比べたら、いろいろな面で自分が変わったのは確かだけど。

    世の中には、わたしの「ロード・オブ・ザ・リング」よりも険しくて厳しい道を生きている人は、たくさんいるだろう。
    リングと共に歩むフロドたちに、「きっと出口はある」とか、「問題は必ず解決、解消する」などと、わたしは言えない。
    だって、わたし自身、そんなふうに簡単に思えなかったもの。
    一生、背負って終わるのかと思ってきたから。
    それでも、いつ抜けるのか分からない道にいても、喜びや幸福感が深まる出来事はある。たとえ一時的でも、勇気や希望をもつことも、光を見ることもある。
    それは言ってもいいかな、と思うのだ。
    そして、挫けても、立ち止まって泣いても、自分の道を体験していけばいいのではないだろうか。
    それが、自分を生きること。

    「わたしのロード・オブ・ザ・リング」を知る限られた人たちに、日が経つにつれ感謝が込みあげてくるこの頃。
    問題を抱えてきたわたしを責めたりせずに、ただただ話を聞いてくれた白バラちゃん。
    感情に蓋をして話すわたしの代わりに涙してくれたOちゃん。
    「それはロード・オブ・ザ・リングだ!」と感心させてくれたOちん。
    助言などせずにひたすら共感してくれたEさん、Tさん。
    自分と共にあったリングの重たさも、道の途中で何度も疲労困憊したことも、ほんの二ヶ月半のうちにわたしは忘れかけているけれど、見守ってくれた数少ない友人がいてくれたことを思うと、今でも「ありがとう」の涙が出ちゃうのだ。
    ありがとう。
    そして今、これから、さらに未知のことをもっともっと体験していこう。
    怖いけど、怖がりながらも未知の道へ。

    io日和> <魚の庭
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     葉月いお

    Author: 葉月いお
    オフィシャル基地<io日和
    ―魚の庭― Photo綴り
    極楽とんぼの「映画会」
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