夏の温泉〆

できることなら、毎日、温泉。
温泉は最大のヒーリング。
何しろ、大地から湧き出る自然力に身体ごとどっぷり浸かれるのだから、パワーをいただけないわけがない。

それほどヒーリングしなくても、もともと元気なのだけれど、炎暑の夏休み気分が手伝って、今月は温泉回数が多かった。

・静岡県は島田のお墓参りの帰りに寄った伊太和里の湯
「ちょっと行ってきます」というわけにはいかないけれど、お墓参りのついでに寄れる湯処を見つけたので、また機会をつくって行きたいところ。
明らかに夫婦ではないご老年カップルが食堂でおデート中だったみたいで、馴れ合いの夫婦にはない気遣いのある交流をつい観察してしまいました。
中庭もあり、館内の休憩場所がいろいろあるので、近隣の方々にはなかなかよいデートスポットかもしれません。

・山梨県は勝沼の葡萄の丘にある天空の湯
アルカリ度の高いヌメヌメした感触のお湯が、蚊に刺されまくりで掻き毟った膝下をかなり治癒してくれました。
夏休みの時期とあって家族連れが多く、館内がどこも混雑気味だったのが残念。次回は完全平日を狙って、ゆったり過ごしたいところ。

・おなじみ埼玉県は小川町の花和楽の湯
20100825b
ここもアルカリ度の高いお湯なので、虫刺され痕に効果あり。食事も美味しいし、渡り廊下のところどころにプライベートを保てる休憩場所があるので、ゆったりした時間を過ごせます。
暖炉のあるバーで、一人でシエスタしているおじさんが羨ましいくらい気持ちよさげでした。

・いつものさやの湯
都内板橋区にあるので、思い立ったらさくっと行けるお湯処。ここの薬草の蒸し風呂と寝湯を数回往復すると、心身ともに浄化できる気がします。

・先月末からクセになりかけているラクーア・スパ
都心にあるだけあって、施設内備品が充実したスパ。入館料は割高だけど、都内から交通費をかけて温泉地へ行くことを考えると、時間と交通費込みでそれほどお高くない感覚。浴場は広々として清潔感は充分。シャンプー・コンディショナー類の質は高め。月に一度は行きたい場所になっているのであります。

でもって、帰りに喉が渇いたのでババへ寄ってしまうパターン。
20100827a

週末金曜の夜がこれから始まろうという夕暮れどきに、贅沢な時間を堪能してしまった。
気持ちいいことってクセになる。

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残暑のころ

ブログをさぼりがちなので、いただきものもさっさとお腹におさまって終わってしまうこの頃。
美味しいもの好きを知ってもらっているせいか、相変わらず食べるいただきものが多い。喜ばしいことです。

食は命、すなわち生命力。

疲れたら寝る。萎んだら食べる。

いただきものを喜んでいただいて生きてます。

・毎年この時期になると、ライターのアルさんから送られてくる梨。
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千葉在住のアルさんからいただくのは千葉産の梨。毎年、千葉県内の収穫場所を変えて送ってくれる。
今年は、しろいの梨。甘さとしゃきしゃき感がほどよく、どんどんいただいてます。で、半分は食べごろのうちにお裾分け。美味しいピークを過ぎてしまうともったいないので。

・こちらは軽井沢帰りの方からいただいた桃。
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桃はすぐに傷むし、当たり外れがあってなかなか難かしい果物。自分用のお土産に持ち帰るのも勇気が要る。それを箱ごと買ってきてくれるとは!
こちらも食べごろ。傷まないうちにちゃっちゃっといただいてます。

梨も桃も、デジカメのレンズを通して見ると、ふわ~っと光を放っているように見えるのは気のせい?

ところで、桃の切り方ってどうすればよいのでしょう?
とてもじゃないが、お客さんには出せない食べ方していて、ふと思った。
こんなふうにうまくいかないよー。

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暑くて熱い日

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この日は毎年、朝からヘリコプターの音が聞こえてくる。
靖国さん周辺は警察官がところどころで警護する姿が目に付く。
勇ましげな戦闘服に似た服装の人たちの姿も同じく目に付き、やたらにデジカメを出すのも気が引ける雰囲気になる。

靖国通り沿いの南門は、本日は閉鎖。大鳥居から続く参道に面した神門からしか入れない。
機動隊員が待機する警察車両、黒塗りに旗を掲げたボックスカーが通りのあちこちに停まっている。
騒然とした空気に包まれる靖国。
午前9時半、すでに慰霊の人たちが続々と集まってきていた。
「靖国で会おう」と散っていった御霊たちも、続々とやってきているのだろうか。
実際に目にしている人々に混じって見えない集団がいる。
ざわつきの中、暑さに拍車をかける蝉時雨に耳を奪われ、そんな想像を掻き立てられる。

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暑くて熱い夏の日の正午。
図書館へ向かう途中、皇居田安門のあたりで黙祷の合図が聞こえた。
足を止め、黙祷。

午後の1時を過ぎた帰り道、靖国通りの歩道は慰霊の式典を終えた人たちで賑やかになる。
朝から漂っていた緊張感を含んだ騒然さは緩んだ様子。警護の撤収作業が始まりかけていた。

夕方6時過ぎ、歩道に立っていた警察官たちの姿はない。
年に一度の暑くて熱い夏の日が暮れていく。

慰霊は逝った人たちのためだけじゃない。
生を受け継いでいく者たちが、記憶に留めていくためでもあるのだ。

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半妖ワールド

20100812a

2年ほど前だったろうか。取材で水木しげるさんにお会いしたライターさんの影響で、水木さんの本を読み耽った時期がある。中でも痛烈に残っているのが、「のんのんばあとオレ」と「総員玉砕せよ」だ。

「のんのんばあ…」は、胸の奥のほうで優しさの感情が刺激されて静かに泣けてくる作品。それが単にもの悲しさに終わるのでなく、もっとちゃんと生きなくちゃと思わせる。思ってもなかなかちゃんとしないのだけれど……、魂が揺さぶられて生への活力がリセットされるものがあった。
魂を揺さぶられるのは「総員玉砕…」も同様。
何しろ“玉砕”。死ぬしか生きる道が残されない。そんな状況に置かれる怖ろしさは、いくら想像しても感じきれない。それでも、生きる道にいられることを大事に思わずにはいられなくなる。
いずれも、テレビでやっていた「ゲゲゲ…」くらいしか知らなかった水木ワールドが、わたしにとって奥行きと深さを増す作品だった。

招待券をいただいて楽しみにしていた「ゲゲゲ展」。
10時の会場から盛況で、ブースの中はところどころ人溜まりができていた。
薄暗い照明の中で、妖怪のブロンズ像たちにじっと目を凝らしたり原画を見たりして、ふと周りを見ると、何と!皆、半分妖怪が入った顔に映る。半妖だ!
自分の顔は見られなかったけれど、たぶん、わたしも半妖がばれていたに違いない。

で、少し銀座を歩き、昼過ぎに帰ってきたら、妖怪ねむねむにやられてしまったらしい。
どうにもこうにも起きていられず爆睡。
眠りに落ちる前、何故だか水木さんの顔をしきりに思い浮かべようとしていた。でも、出てくるのは岡本太郎氏の目を剥いた顔。水木さんと岡本太郎氏は似てたっけ?
似てなくもない。

 

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歓迎のサイン

― 「死にかけると早いのよ」から続く ―

「おまけしとくわね」
いくらおまけしてもらったのかよく分からなかったが、きっとよくしてくれたのだろう。
一つ900円の花束を二つ抱え、機嫌のよいおばあちゃんにお礼を言って花屋を出た。

今の時代、ネットのおかげで、どこでもあらかじめ地図で確認できるのはありがたい。
知らない場所でも目的地への嗅覚は利くほうだけど、暑い中、無駄に道に迷ったりはしたくない。プリントしてきた地図を頼りに、埼玉あたりの住宅街と大差ない町並みをきょろきょろしながらお寺さんに向かった。
デジカメもありがたいやね。
20数年前に戻って、記憶の欠片にあるものをあちこち撮ることができたらなあ、なんて思う。

はじめて独りで来たときは、お寺までは辿り着いたもののお墓の位置がうろ覚えもいいとこで、墓石の群れを見渡して途方に暮れた。それで、「おじいちゃーん、おばあちゃーん」と心の内で叫んでみた。
不思議なもので、そしたら一つだけ、呼んでるみたいに目に付く墓石が見えたのだ。駆け寄ってみたら、どんぴしゃり。それがじいちゃんとばあちゃんのお墓だった。あのときも、お盆前の炎天下で、汗だくだったのを憶えている。

いた、いた。
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久しぶり過ぎて少し不安だったけど、行けばきっと呼んでくれると思っていた。
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墓石に掛ける水はどんどん乾いていく。
髪をつたって汗が背中や肩にポタポタ落ちる。
墓前のお花を取り替え、用意していった線香の束にライターで火を点け始めたときだった。

パシッ!

お墓の左っ側の空中で、あり得ない音がした。
形にならない透明なものがパッと視界に浮かび、妙な破裂音とともに、昼間の打ち上げ花火に似た白っぽい痕を残して消えたのだ。

あまりに暑いと、変なことが起きても驚きのセンサーが鈍るらしい。
動じることもなく、2~3秒してから、線香に火を点けるのに集中しているお供に訊いた。
そう、今回のにわか参りには、長々と電車に乗りたかったのか、田舎の温泉に惹かれたのか、粋狂なお供がいたのである。

「今さあ、パシッって音がしたでしょ?」
「いんや」

線香が湿気っているのか、親切なお供は火点けに手間取っているようだ。

「パシって、けっこうおっきい音がしたの、聞こえなかった?」
「いんや」

どうやら、パシッ!は私だけが捉えた音だったらしい。
もちろん、視界に浮かんで消えたものも、私しか見ていない。
以前より奮発したお供えのお花にびっくりしてくれたのだろうか。暑かったので、あまり考えず、歓迎のサインにちっちゃな打ち上げ花火を見せてくれたことにしておく。
世の中、考えたってわからないことがたくさんあるのだ。

20100805h

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