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トンネルのむこうは9月でした

 夢だ! 夢だ!

 さめろ! さめろ! さめろ!

 これは夢だ 夢だ

『千と千尋・・・』の台詞がぴったりくるほどショート・トリップから飛ぶように過ぎた7月。
時間の進み具合が加速したのではないだろうに追いついていけない感覚がときおり浮上して、もっと丁寧に日々を過ごさないと何も残らず終わっていきそうな気がした。

わたしの記憶は2歳を過ぎたあたりから始まっているのだけれど、その斑な記憶の中にしっかり思ったことがある。

 ちゃんと憶えていないと忘れてしまう。

口で伝える言葉は達者でなくとも、はっきりそう思った。
それから暫くの間、カメラのシャッターを切るように出来事や瞬間を憶えておこうとした。
隣に住んでいたリエちゃんが階段から落ちておお泣きしたこと。喉の奥が見えるほど口を開け、リエちゃんは涙のサイレンを鳴らした。
初めてのおつかいで小銭を握り締め、角のパン屋さんに食パンを買いに行かされたこと。難なく買い物をして帰ってくると、玄関の上がりくちに母親が座って待っていた。迎えてくれた母の笑顔にも、わたしの中のカメラはシャッターを切った。

ちゃんと憶えていないと忘れてしまう。
2歳のわたしには、その言葉のとおりに一つひとつの出来事を記憶していくことに繋がった。
だが、あの頃に思った言葉をオトナになって解釈すると、本当に意味するところは違う気がするのだ。

 もっと丁寧に……。

と言葉が浮かんだ8月も飛ぶように過ぎた。
神宮の花火を観に行ったり温泉に行ったり、美味しいものにありついたりサングリアで盛り上がったり、楽しいことはいつものようにあった。なのに、何か物足りない夏。
いつのまにか靖国の小さな森に響く蝉時雨は秋の虫の合唱に変わっていた。

 もっと丁寧に生きないと……。

先週から何度かとてつもなく静かな“とき”がやってくるようになった。
そうなってみると、自分の中がわさわさしていたのがよく分かる。じつは“静かなとき”になるのを待っていたことも。

 もっと丁寧に生きないと(自分を)忘れてしまう。

2歳の頃に思った言葉の新解釈はこれだ。

日付が変わった途端に何かが変わったわけじゃあない。8月から9月の境界線で、違う世界になったわけじゃあないだろうに。
でも、何だか靄のトンネルを抜けたような気分である。台風が薄らぎかけていた靄を最後に掻っさらっていったよう。

2ヶ月近くほったらかしたブログ。
わたし、神隠しに遭ってました。

20090901a

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・1年前の今日の日記 「ジュリーを知らない世代へ」
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