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風水にてドイツ料理

政治家さんとのお付き合いは今のところないので実態は知らないが、経営者の中には意外と占い系の先生とお付き合いされている方が少なくない。
ここで言う経営者とは、起業家のこと。
自分で起業し、自分の人生をかけてリスクを負っている方々。
そういう方の皆が皆ではないが、「じつは、占いの先生が言うには……」とか、「知り合いの先生に観てもらったら……」などという話をよく聞く。

「経営者が占いに頼るなんて」と思う人もいるかもしれない。
が、ビジネスの判断や意思決定を委ねて依存するのとは違うと思う。
私の解釈で言えば、占いは天気予報と同じ。
登山家が雲行きを気にかけるように、天気図を読んでもらうことによって自分の位置状況の確認を得たいのではないだろうか。

経営はマーケティングの理論や経験値の知識だけで操れるものではない。
経営者の勘やひらめきに因るところは大きい。
ワンマン社長の手腕が企業そのものである場合、社長と企業の運命は切り離せないのは自然なことだろう。

「経営は最大の博打」と言う経営者もいる。
社員を抱える経営者を身近に見るに、その通りだと思う。
おかげで自分のリスクだけでも充分に博打な私は、迂闊に社員など抱えてはならないと肝に銘じるようになった。

かつて、占いの信憑性を体験して調べていた時期がある。
私自身、占いはあまり当てにしていないが、経営者に限らず自分の人生に真剣であるなら、自分に吹いてくる風や風向きに関心を示すのは自然なこと。頭で考えるだけに留まらない術を利用するのもアリだと思う。

夕方、事務所に現れたM氏は若い頃から風水を実践している社長さん。
1時間ほどで仕事の話が終わり、知人も含め4人で食事に行くことになった。
で、今日は東北の方角がいいとのこと。
その方角のエリアで候補にあがったのが、寿司屋かドイツ料理。

今宵は風水のおかげで、久々にパウケの本格ドイツ料理をいただくことに。
塩漬けの豚すね肉を香味野菜と香辛料で煮込んだ“アイスバイン”は絶品です。

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小が大を兼ねる

ニッポン国はGW。外がやや曇りだとホッとする。やたらに天気がいいと、どうしても出歩きたくなってしまうのだ。

15キロほど歩き回った昨日は、帰ってくるなり銭湯へGO! 運動したあとほど、おっきいお風呂が気持ちいい。
ゆったりお湯をいただいて脱衣所で着替えていると、二十歳前後のおねえちゃたち3人の聞き捨てならぬ会話を耳にした。
「あたし、小さいタオル持ってこなかったぁ」
「あたしもー、おっきいのは持ってきたけど」

彼女らの言う“小さいタオル”とはフェイスタオルのことだろう。“おっきいタオル”とは、バスタオルのことだろう。
かさ張るバスタオルを持ってきて、“小さいタオル”がないなんて「え?!」である。
ここで「え?!」とならない人は、日本の入浴習慣ではないに違いない。

3人組みの会話に、近くにいたご婦人が
「受付で言えば、貸してくれるわよ」
と親切に声を掛けた。
「えー、そうなんですかあ?」
「へえ」
おねえちゃんたちは聞き返すも、借りに行く気配はない。
「ちょっと(服を)羽織って、借りてくればいいわよ」
他所(よそ)の子に教えるように言ってくれてるのに、彼女らには面倒くさいらしい。そのうち、一人が
「あたし、いいや!」
と思い切りよく言うので、またしても「え?!」である。3人して「いいや」の方向で、タオルを持たずに入浴する気になっているようだった。
見かねたご婦人が、
「じゃあ、わたしが借りてきてあげるから待ってなさい」
と大急ぎで下着を付け、着替えのワンピースを被り始めた。
「そんなあ、いいです、いいです」
期待に満ちた「いいです、いいです」を振り切って、ご婦人が脱衣所を出て行かれると、彼女らは「すごい助かるー」と薄い感謝の意を表しながら鏡の前で腹筋のチェックなどしていた。
面倒見のいいご婦人にタオルを借りてきてもらった三人組は、
「ほんっと、すいません」
「ほんっと、ありがとうございます」
「ほんっと、助かります」
一応それぞれに礼を言って洗い場に消えていった。

ふと思った。
「大は小を兼ねる」と言うけれど、風呂においては「小が大を兼ねる」のだ。

洗った顔を拭くにも髪の水気を取るにも、小さいタオル一枚あれば事足りる。そりゃあ、おっきいタオルを持って入るならそれでもいいけれど、乾いたバスタオルは風呂あがりの体に使いたいものだ。その風呂あがりの手前で、小さいタオルが重宝する。

・洗い場から脱衣所へ出る前に、全身の水気を小さいタオルで拭う。

これぞ手拭いの国ニッポンの風呂のあがり方なのだ。
タオルを持たずに入浴する気でいた彼女らは、びしゃびしゃのまま出てきて、足拭きマットをぐっしょり湿らせた挙句、ポタポタと滴を床に垂らしながら自分のロッカーへ向かうつもりだったのだろうか?
ここが、おっきいタオルしか持ってこないうえに、「いいや」で済まそうとした彼女たちに「え?! え?!」となった最大の理由である。

“バスタオルは手拭いにならない”
そう、とくにお風呂では、「おっきいタオルより小さいタオルが重宝する」。
「大は小を兼ねる」の反義語に、「杓子(しゃくし)は耳かきにならぬ」とか「長持は枕にならぬ」があるけれど、そんな大袈裟な例えよりずっと実用的で生活に密着した「小が大を兼ねる」例を発見して、心身ばかりでなく脳ミソまで活性化したのを実感する風呂あがりだった。

ちなみに、わたしは銭湯・温泉に、かさ張るバスタオルは持って行かない。
自宅でも、おっきいタオル不要。ちゃんとバスタオルを使う家に育ってはいるけれど、浴室でしっかり水気を拭いて最後にタオルを濯いでいる間に、体はすっかり乾いている。なので、おっきいタオルは洗面所のお飾りにしかならず、すっかりバス用具から外れてしまった。
ただし、この習慣をホテルのバスルームでやってしまうと、せっかく用意されたバスタオルが手付かずになってケチくさい気がしてしまう。で、慌てて自分のケチくささを払拭しようと、おっきいタオルを体に巻きつけてみたりする。
手拭い作法は、タオルの国の西洋バスタイムには似合わない。

When in Roman Baths, do as the Romans do.
“ローマ式風呂ではローマ人に従え” なのである。

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・2年前の今日の日記 「声」
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地味に連休

推定樹齢300年と言われる「天王桜」が見たい!

一瞬、夜中に車を走らせ、早朝の大きな桜の木を見上げる自分を妄想。帰りに温泉に寄るのもいい。
でも連休中は人も多いだろうし、レンタカーも割高だし、とあっさり諦め、いきなり浮かんだのが江東区の清澄庭園

なぜか、学生時代の友人の成人式の写真を思い出したのだ。たしか清澄庭園で撮ったと言っていた、下町娘ヨシエちゃんの振袖姿。そのバックに藤棚が映っていた気がする。それでもしかしたら、たわわに咲き乱れる薄紫の藤の花が見れるのではないかと期待した。

半蔵門線の清澄白河から徒歩3分、入園料150円。
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ごく普通の日本庭園。見慣れたつつじが所々で満開だったが、地味めな印象にちょっと出鼻を挫かれた。
大きな池にはでっかい鯉がうようよ泳いでいる。靖国の神池の鯉より俄然大きいが、それでもせっかく入園料を払ったにしては盛り上がりに欠ける。
と、「あー、カメ!」。池の中には、鯉に負けじと亀がうようよいるではないか。
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なかにはガメラを彷彿とさせるポージングのミニガメラも。
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だんだん楽しくなってきて、園内を一周。
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すると、「おお、サギ!」。
舞い降りてきたアオサギが近くまで寄ってきて、目の前で稚魚を獲る姿を披露してくれた。
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ますます楽しい清澄庭園!
であったが、次はお隣の清澄公園へ。
忘れかけていた藤棚はこちらであったか。花はなかったけど。
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遠出ができない負け惜しみじゃなく、連休中は都内を歩くのが一番!
と、緑豊かな清澄公園から仙台堀川に沿って歩き、今度は木場公園へ。
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そんなに公園ばかり巡り歩いて面白いか?
面白いかどうかはともかく、足が向いてしまうのだから仕方がない。
足の向くまま公園内の大橋を渡り始めると、橋の下にポピーの群れを発見。
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西陽を浴びるポピーに囲まれて、遠くに見える高層マンションを眺めていると、「そろそろ帰らないと」と言われている気がしてくる。さすがにいい加減、歩き疲れた、お腹も空いた。
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木場駅の近くで遅いランチとコーヒーブレイクで歩く気力を取り戻す。帰りは永代通りを皇居に向かって延々と歩いた。
木場→門前仲町→永代橋を渡り、→茅場町→日本橋→大手町→竹橋、と“歩く東西線”だ。

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永代橋から見る隅田川

地図で歩行距離を確認すると、最初の清澄庭園からだと13.5km。公園内もだいぶ歩き回ったので、15kmは超えているだろう。日が暮れてからは、大きな湯船に浸かってプハ~とすることばかりが頭に浮かぶ帰り道だった。
妄想に終わらず、やや筋肉痛の体に、銭湯、最高!

ioWEB
・1年前の今日の日記 「カップスープの夕べ」
・4年前の今日の日記 「連Q!」
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頭パコーン! OJT(On the Job Training)の時期に

午後3時過ぎ、遅いランチに冷やしたぬきが食べたくなり、編集者のクマさんとセルフサービスのお蕎麦屋さんへ。

発券機で買ったチケットをカウンター越しのおにいさんに渡す。
2枚のチケットを指差しながら、
「こっちがウドンで、こっちがおソバね」
そうお願いすると、一拍ぐらい置いて、おにいさんが復唱する。
「ソバー、ウドーン。」

近所のコンビニで働いている中国系の人たちは、たいてい日本語が流暢だけど、このおにいさんはまだたどたどしい。
親子ほど年上の店のおやじさんに注文を通してくれたが、ウドンとソバが間違って出てくるんじゃないかと、ちょっと不安だった。
まあ、違ってたら、それはそれで受け入れてしまう、私は店にやさしい客なのだが。

できあがるのを待つ間に、冷水機に二人分のお冷(ひや)を取りに行く。
で、戻ってくると、何やらカウンターの中で起こったらしい。
おにいさんが、おやじさんに厳しくひそひそと叱られている様子。カウンターの外にも緊張感が伝わってくる。

『どしたの?』
目で訊く私に、クマさんが目をぱちぱちしながら片手を払って見せた。
「頭、パコーンって。」
おにいさんが後頭部に手を当てているのは、そのせいか。
何をやらかしたのかカウンターの中の出来事は分からないが、おやじさんはとっさに子どもの頭を叩(はた)くみたいに手が出てしまったらしい。

そうこうするうちに、私らの注文した品は、ウドンとソバを違えることなく出てきた。

カウンターの中では、頭を叩かれたおにいさんの無言の抗議が続く。
見て見ぬフリの私らの興味も続く。
後頭部に手をやりながら、伏目でつぐんだ口元がおやじさんを責めている。
「そんなに強く叩いてないじゃない。
 軽くポンってやっただけでしょ。」
と、ひそひそ声でなだめるおやじさん。
私は見てなかったけど、たぶんそれは違うと思う。
そこは違うと思うけど、おにいさんは、おやじさんが手を出してしまうほどに、おやじさんの予期せぬことをしでかしたに違いない。

見ないフリで見ていても仕方ないので、私らは窓際の席に自分のお盆を運び、暫し腹ごしらえに没頭した。

帰り際、器とお盆を返す棚に行くと、相変わらず口元を固めたまま洗いものをするおにいさんを、おやじさんが懸命に取り成していた。
「かわいく思ってるから、つい手が出たんだよ。」
「ね、かわいくなきゃブタないって。」
「ね、ね。」

「あーい、わかりました。」

ようやくおにいさんが口を開いた。

店を出た私らは、微笑ましさもあって大笑いしてしまった。
四月に新人を迎えた職場は、OJT(On the Job Training:仕事を通して訓練をすること)の時期かもしれない。
おやじさんのOJTはうまくいくだろうか。
連休明けにまた、冷やしたぬきを食べに行ってみよ。



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