思いは道をつくるのか? の続き。
これまで何度も契約解除の危機を土壇場で回避してきたジョナくんであったが、今回は奇跡のどんでん返しはなさそうだ。
そんな気はしていた。
と今頃になって言うと後出しジャンケンになってしまうが、2月の末に事務所にやって来た彼は、それまでとは違っていたのだ。彼の愛社精神も尽きたのか、会社に居続けたい気持ちが薄れているようだった。“動く”覚悟にも至ってはいない様子だったが。
見ようにはよっては愛社精神とも言える彼の思いの中には、居慣れた場所から“動きたくない”気持ちも大いにあったと思う。
やり慣れたことを手放したくない。それは、未知の場所へ向かう勇気と自信が充分でないがための未練ではなかったろうか。そう、2月の末に会った彼は、未練がましさが薄らいでいたのだ。それが勇気や自信に取って代わったわけではないけれど。
ときどき彼は夢見る笑顔で、「(もし)好い条件のオファー(誘い)があれば、ヒューッ!」と片手を飛行機が離陸するように飛ばして見せる。
現状に満足しているはずなどないことは、わたしも知っている。ずっと留まり続ける覚悟がないことも。
だが、動きたくない思いがあるうちは“もし”はない。現状への未練は、自分自身の鎖のように踏み出す一歩を留まらせる。人材紹介会社に登録しても、自分への体裁で終わってしまう。“自分は動こうとしている”という自分に対する見せかけの行為にしかならない。
わたしには、ジョナくんを襲ったこれまでの契約解除の危機は、運命が重たいお尻を押しているかに思えてならなかった。その度に、彼は自分の将来について考えたはずである。「ボクは本当にこれでよいのか」と。
愛社精神で会社の行く末を案じてはみても、いつか新しい居場所を探さなければならなくなるのは薄々感じていたはずだ。
もし、前回、前々回の危機に、彼が本気で新たな自分の居場所を求めていたら、運命は彼をどこかへ導いたのだろうか?
「彼はもっと早く(会社を去る)決断をするべきだった」
そう言う人もいる。
わたしだってそう思わないわけではない。グズグズせずに、さっさと見切りをつけていれば、と。
しかし、居座り続けることになったのは彼の運命だったのではないだろうか。変化に対してお尻の重たい彼にとっては、幸運にも心の準備を整える期間だったように思う。
というのは、過去に比べて、今の彼はパニックに陥ってはいないからだ。
“もし”あのとき……。
パラレルワールドが存在するのかどうか。
あったとしても、現在地点に過去から続く“もし”はない。
同様に、過去を省みて「あのとき、どうする“べき”だった」と言うことはできるが、所詮それは結果論に過ぎない。
自分で温めた居場所に留まりたがった彼の思いを、誰が変えられただろう。
世渡りが下手で、臆病で、生き方がうまくないとしても、彼には彼の留まりたい思いの理由があったのだ。
「思いは叶っても、思っても叶わない」の運命の謎がそこにありはしないか。
めぐりあわせのパズルが揃わなかったいじょう、“もし”の道が存在しないと同様に、“べき”の道も存在しない。“もし”がないなら“べき”もないのだ。
彼の道は、彼なりのベストだったと考えられる。
<ioWEB>
・2年前の今日の日記 「露ぬれの蕾」
これまで何度も契約解除の危機を土壇場で回避してきたジョナくんであったが、今回は奇跡のどんでん返しはなさそうだ。
そんな気はしていた。
と今頃になって言うと後出しジャンケンになってしまうが、2月の末に事務所にやって来た彼は、それまでとは違っていたのだ。彼の愛社精神も尽きたのか、会社に居続けたい気持ちが薄れているようだった。“動く”覚悟にも至ってはいない様子だったが。
見ようにはよっては愛社精神とも言える彼の思いの中には、居慣れた場所から“動きたくない”気持ちも大いにあったと思う。
やり慣れたことを手放したくない。それは、未知の場所へ向かう勇気と自信が充分でないがための未練ではなかったろうか。そう、2月の末に会った彼は、未練がましさが薄らいでいたのだ。それが勇気や自信に取って代わったわけではないけれど。
ときどき彼は夢見る笑顔で、「(もし)好い条件のオファー(誘い)があれば、ヒューッ!」と片手を飛行機が離陸するように飛ばして見せる。
現状に満足しているはずなどないことは、わたしも知っている。ずっと留まり続ける覚悟がないことも。
だが、動きたくない思いがあるうちは“もし”はない。現状への未練は、自分自身の鎖のように踏み出す一歩を留まらせる。人材紹介会社に登録しても、自分への体裁で終わってしまう。“自分は動こうとしている”という自分に対する見せかけの行為にしかならない。
わたしには、ジョナくんを襲ったこれまでの契約解除の危機は、運命が重たいお尻を押しているかに思えてならなかった。その度に、彼は自分の将来について考えたはずである。「ボクは本当にこれでよいのか」と。
愛社精神で会社の行く末を案じてはみても、いつか新しい居場所を探さなければならなくなるのは薄々感じていたはずだ。
もし、前回、前々回の危機に、彼が本気で新たな自分の居場所を求めていたら、運命は彼をどこかへ導いたのだろうか?
「彼はもっと早く(会社を去る)決断をするべきだった」
そう言う人もいる。
わたしだってそう思わないわけではない。グズグズせずに、さっさと見切りをつけていれば、と。
しかし、居座り続けることになったのは彼の運命だったのではないだろうか。変化に対してお尻の重たい彼にとっては、幸運にも心の準備を整える期間だったように思う。
というのは、過去に比べて、今の彼はパニックに陥ってはいないからだ。
“もし”あのとき……。
パラレルワールドが存在するのかどうか。
あったとしても、現在地点に過去から続く“もし”はない。
同様に、過去を省みて「あのとき、どうする“べき”だった」と言うことはできるが、所詮それは結果論に過ぎない。
自分で温めた居場所に留まりたがった彼の思いを、誰が変えられただろう。
世渡りが下手で、臆病で、生き方がうまくないとしても、彼には彼の留まりたい思いの理由があったのだ。
「思いは叶っても、思っても叶わない」の運命の謎がそこにありはしないか。
めぐりあわせのパズルが揃わなかったいじょう、“もし”の道が存在しないと同様に、“べき”の道も存在しない。“もし”がないなら“べき”もないのだ。
彼の道は、彼なりのベストだったと考えられる。
<ioWEB>
・2年前の今日の日記 「露ぬれの蕾」
肉をランキングするなら、
1位 何と言っても、ブタさん
生姜焼き、ポークソテー、角煮、焼き豚、酢豚。
庶民の食卓の味方としては最強でしょう。
2位 カモン、鴨肉さん
鉄鍋でじゅーじゅーしたあと、脂身の欠片をカリカリに焼いたら、別腹でご飯2杯はいけましょうぞ。
3位 ンマイね、の馬さん
牛のすき焼はもちろん美味しいですが、馬のすき焼には敵いません。
牛さんと鳥さんは同格でしょうか。
そんなわけで、ブタさん好きなのを知ってるお方から、とん漬が送られてきました。

なんてありがたいことでしょう。
これで月末まで何とか生き延びられそうです。
ちなみに、めったに口に入りませんが、フレンチのうさぎさんも好きです。
メキシコで食べたイグアナは、二度はいいかな。
<ioWEB>
1位 何と言っても、ブタさん
生姜焼き、ポークソテー、角煮、焼き豚、酢豚。
庶民の食卓の味方としては最強でしょう。
2位 カモン、鴨肉さん
鉄鍋でじゅーじゅーしたあと、脂身の欠片をカリカリに焼いたら、別腹でご飯2杯はいけましょうぞ。
3位 ンマイね、の馬さん
牛のすき焼はもちろん美味しいですが、馬のすき焼には敵いません。
牛さんと鳥さんは同格でしょうか。
そんなわけで、ブタさん好きなのを知ってるお方から、とん漬が送られてきました。

なんてありがたいことでしょう。
これで月末まで何とか生き延びられそうです。
ちなみに、めったに口に入りませんが、フレンチのうさぎさんも好きです。
メキシコで食べたイグアナは、二度はいいかな。
<ioWEB>
「週に一度は温泉&蒸し風呂」ブームが続くここ半年、昨夜もさやの湯へ。
洗い場でいつものように体を洗っていると、隣に女子の二人組がやってきた。女湯だもの、男子の二人組みだったら、びっくり。
歳の頃は20代前半。一人はおっかさん体型のおっとりさんで、もう一人はちょっとカワイ子ちゃんタイプのきゃぴきゃぴさん。
楽しげなこの二人組が、陣取っていた洗い場を立ち去っていく瞬間、
「親切だねー、きゃはは」
と、きゃぴきゃぴさんの声が。
「(親切とは)何のこっちゃ?」と横を見たときには、すでに二人の姿はなかった。
と、きゃぴきゃぴさんが使ったラカンの前は、桶は上を向いたまま。風呂椅子は去って行った方へ斜めを向いている。おっとりさんが使っていたほうの風呂椅子はラカンと平行に、桶はちゃんと伏せて椅子の上に置かれていた。
どうやら、きゃぴきゃぴさんが“親切”と言ったのは、風呂椅子と桶を使いっぱなしの状態にせず整えたおっとりさんのことだったらしい。
お片づけを親切と言うのか?
「親切だね」と言われたおっとりさんが、きゃぴきゃぴさんを「ガサツだね」と思ったかどうか。
それはともかく、隣の来たよしみ、シャワーの湯を飛ばされるのも他生の縁。
きゃぴきゃぴさんの分は、自分のとついでに整えておきましたよ。そんなわたしは、かなり親切の部類に入るのだろうか?
そういえば、健康のためだか知らないけど、水でシャワーを浴びる人がたまにいて、温度調節をする部分を水の状態のままにして行っちゃう人いるでしょ。
おかげで、最近は用心深くなって確認するようになりましたよ。寒がりなので、のっけから水浴びするのでは敵わない。いきなり熱湯を浴びるよりはマシだけど。
・桶と風呂椅子を使ったら、手で自分の垢をこすって湯で流す。
・洗い場は次の人が気持ちよく使える状態に整えておく。
・水を浴びたら、温度調節を適度な湯が出る状態に戻しておく。
きゃぴきゃぴさんは公共の場に慣れていない様子と見たが、慣れない所では周りの様子を窺って、マナーを覚えるのが“自分の躾”。
散らかしっぱなしさんや水浴びさんのおかげで、わたしも躾けられてます。
<ioWEB>
洗い場でいつものように体を洗っていると、隣に女子の二人組がやってきた。女湯だもの、男子の二人組みだったら、びっくり。
歳の頃は20代前半。一人はおっかさん体型のおっとりさんで、もう一人はちょっとカワイ子ちゃんタイプのきゃぴきゃぴさん。
楽しげなこの二人組が、陣取っていた洗い場を立ち去っていく瞬間、
「親切だねー、きゃはは」
と、きゃぴきゃぴさんの声が。
「(親切とは)何のこっちゃ?」と横を見たときには、すでに二人の姿はなかった。
と、きゃぴきゃぴさんが使ったラカンの前は、桶は上を向いたまま。風呂椅子は去って行った方へ斜めを向いている。おっとりさんが使っていたほうの風呂椅子はラカンと平行に、桶はちゃんと伏せて椅子の上に置かれていた。
どうやら、きゃぴきゃぴさんが“親切”と言ったのは、風呂椅子と桶を使いっぱなしの状態にせず整えたおっとりさんのことだったらしい。
お片づけを親切と言うのか?
「親切だね」と言われたおっとりさんが、きゃぴきゃぴさんを「ガサツだね」と思ったかどうか。
それはともかく、隣の来たよしみ、シャワーの湯を飛ばされるのも他生の縁。
きゃぴきゃぴさんの分は、自分のとついでに整えておきましたよ。そんなわたしは、かなり親切の部類に入るのだろうか?
そういえば、健康のためだか知らないけど、水でシャワーを浴びる人がたまにいて、温度調節をする部分を水の状態のままにして行っちゃう人いるでしょ。
おかげで、最近は用心深くなって確認するようになりましたよ。寒がりなので、のっけから水浴びするのでは敵わない。いきなり熱湯を浴びるよりはマシだけど。
・桶と風呂椅子を使ったら、手で自分の垢をこすって湯で流す。
・洗い場は次の人が気持ちよく使える状態に整えておく。
・水を浴びたら、温度調節を適度な湯が出る状態に戻しておく。
きゃぴきゃぴさんは公共の場に慣れていない様子と見たが、慣れない所では周りの様子を窺って、マナーを覚えるのが“自分の躾”。
散らかしっぱなしさんや水浴びさんのおかげで、わたしも躾けられてます。
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「東京が一つになる日」の今日、ヘリコプターがバタバタ飛ぶ音に急かされて、朝ごはんを早々に済ませ、外堀通りに向かったのは9時20分頃。
知り合いのカトさんが「東京マラソン」に出場されると聞いて、市ヶ谷から飯田橋に向かう外堀通り沿いの5キロ地点付近で、控えめな応援参加。
果たして、東京と一つになれるのか?
都庁スタートは9時10分。
「外堀通りは人でいっぱいだよ」と脅しをかけられ、総武線沿線の土手から様子を伺う。

うーん、やはり遠い。
これじゃあ、東京と一つになれそうもないので外堀通りまで降りてみる。

空いてるじゃん。
エレクトリカル・パレード状態だったらどうしよーかと思ったけど、これならダイジョブ。
と、何か来たーーーー。
おお、黒い人たちが混じった第1ランナー集団の姿が。

このあと、第2集団、第3集団とランナーさんたちが目の前を走り抜け、

わらわらわらわら わらわらわらわら

動く人々を至近距離で見ていると、酔いそう。
だんだん走る群れが少なくなって、時間は10時20分過ぎ。

あら、カトさんは?
事務所に戻って、サイトのランナー位置情報で確認すると、走る人の群れに酔いそうになってる間に、5キロ地点を 09:58:50 に通過した模様。
その後、10キロ、15キロ、20キロ地点の通過記録を更新し、25キロ地点を12:31:40に通過。
さらに、30キロ地点を通過し、とうとう 15:00:41 にゴール!
じつは、カトさんはリウマチの持病があり、1週間前までインフルエンザにもかかっていた。
内心わたしは、どーしてそれほど体調が悪いのに、彼女が走ろうとするのかが分からなくて、完走は無理だと思っていた。
わたしはムチャはするけど、自分で無理と思うことは鼻からしないタイプ。
フルマラソンなんて、無理無理無理無理、ムリ。
苦しそうだし、ね。
高校生のときには、たまに皇居1周(約5キロ)を走らされたけど、今じゃもう、歩いて1時間。
それを小走りにしてみる?
なーんて、ちょっと変な気を起こしてみたりするのは、わずかに控えめにでも東京と一つになったせいなのか。
<ioWEB>
知り合いのカトさんが「東京マラソン」に出場されると聞いて、市ヶ谷から飯田橋に向かう外堀通り沿いの5キロ地点付近で、控えめな応援参加。
果たして、東京と一つになれるのか?
都庁スタートは9時10分。
「外堀通りは人でいっぱいだよ」と脅しをかけられ、総武線沿線の土手から様子を伺う。

うーん、やはり遠い。
これじゃあ、東京と一つになれそうもないので外堀通りまで降りてみる。

空いてるじゃん。
エレクトリカル・パレード状態だったらどうしよーかと思ったけど、これならダイジョブ。
と、何か来たーーーー。
おお、黒い人たちが混じった第1ランナー集団の姿が。

このあと、第2集団、第3集団とランナーさんたちが目の前を走り抜け、

わらわらわらわら わらわらわらわら

動く人々を至近距離で見ていると、酔いそう。
だんだん走る群れが少なくなって、時間は10時20分過ぎ。

あら、カトさんは?
事務所に戻って、サイトのランナー位置情報で確認すると、走る人の群れに酔いそうになってる間に、5キロ地点を 09:58:50 に通過した模様。
その後、10キロ、15キロ、20キロ地点の通過記録を更新し、25キロ地点を12:31:40に通過。
さらに、30キロ地点を通過し、とうとう 15:00:41 にゴール!
じつは、カトさんはリウマチの持病があり、1週間前までインフルエンザにもかかっていた。
内心わたしは、どーしてそれほど体調が悪いのに、彼女が走ろうとするのかが分からなくて、完走は無理だと思っていた。
わたしはムチャはするけど、自分で無理と思うことは鼻からしないタイプ。
フルマラソンなんて、無理無理無理無理、ムリ。
苦しそうだし、ね。
高校生のときには、たまに皇居1周(約5キロ)を走らされたけど、今じゃもう、歩いて1時間。
それを小走りにしてみる?
なーんて、ちょっと変な気を起こしてみたりするのは、わずかに控えめにでも東京と一つになったせいなのか。
<ioWEB>